【2023/3時点】AWSの通信料(コスト)を一枚にまとめてみた

AWSの主な通信料を1枚もので記載しました。
日々AWSは新サービス、値下げを繰り返しているので最新情報はAWS公式ドキュメントをご確認いただきたいですが参考資料として役にたてば幸いです。

@ohsawa0515さんの作成されていた画像を参考に作りました!

上記画像の補足、ケース別の料金計算例などを以下に記載していきますので参考になれば幸いです。

EC2の通信料(コスト)について

こちらの情報は2023/03/05時点の情報です。
AWSはコストダウンを定期的に行っておりますので情報が古い場合がございます。
予めご了承の上、ご覧ください。

インターネット接続の通信料

①InternetGateway経由の通信

こちらは通信量に応じてGBあたりの単価が変わってきます。

インターネットからEC2へのデータ転送受信は無料ですが、EC2からインターネットへアップロードする場合は転送量に応じて課金がされます。

EC2 からインターネットへのデータ転送送信 (アウト)
1 GB /月まで $0.00/GB
その後 9.999 TB /月まで $0.114/GB
その後 40 TB /月まで $0.089/GB
その後 100 TB /月まで $0.086/GB
150 TB/月を上回る場合 $0.084/GB

10TBも恐らくアップロードはしないと思いますので、$0.114/GBで計算してみます。

例)EC2から毎日AWS以外のクラウドサービスに50GBのデータをバックアップした場合(1ヶ月31日計算)

(50GB×31日-1GB)×$0.114=$176.586

1GB/月までは無料なので1GB引くと日本円で約2万円/月のコストが発生します。
なんとなく外部クラウドサービスにバックアップしているとかであればS3にバックアップしましょう。
同一リージョン内(AZ依存じゃないサービス)のS3ならば通信料は無料です。
VPC Endpoint経由も無料ですよ。

Amazon EC2 料金表

②NAT Gateway経由の通信

NAT Gateway経由でインターネット通信をする場合はNAT Gatewayの課金体系になります。
NAT Gatewayについては基本料金+転送処理量に応じて課金がされます。

EC2 からNAT Gateway経由での通信
Price per NAT gateway ($/hour) $0.062/hour
Price per GB data processed ($) $0.062/GB

NAT Gatewayをデプロイした段階からPrice per NAT gateway ($/hour)の費用がかかります。
一ヶ月を時間計算すると720Hなので、通信を行わなかっても0.062×720=$44.64かかります。

例)EC2から毎日AWS以外のクラウドサービスに50GBのデータをバックアップした場合(1ヶ月31日計算)

基本料金$0.062×720H=$44.64
(50GB×31日)×$0.062=$96.038
(50GB×31日-1GB)×$0.114=$176.586
基本料金$44.64+転送処理料金$96.038+インターネット通信料金$176.586=$317.264

NAT Gatewayを間に入れた分だけ料金が跳ね上がります。
しかもNAT GatewayはIn/Outどちらも$0.062/GBがかかりますのでご注意ください。

Amazon VPC の料金

オンプレミス環境接続の通信料

①InternetVPN経由の通信

InternetVPNは文字通りインターネット通信が発生しますので、Outの通信に対してインターネット経由の通信料で計算します。
また、1VPN接続毎に$0.048/1Hがかかります。

VPNを接続する際に2トンネル接続を行い、冗長化しますが、2トンネル接続を行っても$0.048/1Hは変わりませんのでご安心ください。

EC2 からInternetVPN経由での通信
サイト間VPN接続 $0.048/hour
9.999 TB /月まで(インターネット通信を想定) $0.114/GB

VPN接続料金$0.048×720H=$34.56例)EC2から毎日オンプレミス上のサーバに50GBのデータをバックアップした場合(1ヶ月31日計算)

(50GB×31日-1GB)×$0.114=$176.586
VPN接続料金$34.56+インターネット通信料金$176.586=$211.146

そんなに高くはないのでオンプレミスと接続する場合はまずはInternetVPN経由で良いと思います。
INの通信料はかかりませんので、オンプレミス上のバックアップをAWSへ毎日行うなどであれば接続料金だけなので安くバックアップ出来ますね。
セキュリティ、安定性、大量通信を行う場合はDirectConnectをぜひともご検討ください。

AWS VPN の料金

②Direct Connect経由の通信

Direct Connectの場合少し計算がややこしいです。
自前でDirectConnectを引く場合はポート利用料がかかりますが、ほとんどの企業様はキャリアのAWS接続サービスをお使いだと思うんで例ではソニーさんのBit-Driveの価格で計算します。

EC2 からDirect Connectでの通信
ポート利用料 1G 0.285/hour
Equinix OS1、大阪/Equinix TY2、東京からの通信 0.041 USD/GB(国内)

Direct Connect(シングル100M)利用料 48,000円
(50GB×31日)×$0.041=$63.55
Direct Connect回線利用料(1$=110円換算で変換)$436+通信料$63.55=$499

やっぱり回線利用料がある分割高なイメージですね。
回線自体も本番環境なら冗長化前提だと思うので$1,000くらいはかかりそうです。

ちなみに単純にInternetVPNとデータ転送料を比較したときの損益分岐点としては月に5.5TB以上転送する場合はDirect Connectの方が安くなります!
(Direct Connectのポート利用料は無し、シングル回線(100M)でVPNもシングルで計算)

AWSにファイルサーバを置くと言う場合などはDirect Connect一択で良いと思います。
あと、良いケースではありませんがEC2のバックアップをオンプレミスで保管するなどという場合もDirect Connectの方が安上がりになりそうです。

AWS Direct Connect の料金

同リージョン、同AZ間の通信

こちらはIn/Outともに無料です!

同じ アベイラビリティーゾーン内の Amazon EC2、Amazon RDS、Amazon Redshift、Amazon ElastiCache インスタンスと Elastic Network Interfaces 間のデータ転送は無料です。

Amazon EC2 料金表

同リージョン、別AZ間の通信

別AZのインスタンスへ通信する場合はIn/Outともに$0.01/GBかかります。
Multi-AZ構成だとこのあたりのコストも計算しておいたほうがいいですね。

同じ AWS リージョン内のアベイラビリティーゾーンをまたいだ、または VPC ピアリング接続間の Amazon EC2、Amazon RDS、Amazon Redshift、Amazon DynamoDB Accelerator (DAX)、Amazon ElastiCache インスタンス、または Elastic Network Interface で「受信 (イン)」/「送信 (アウト)」されるデータの転送料金は、各方向 0.01 USD/GB です。

Amazon EC2 料金表

同リージョン、VPC Peering経由の通信

VPCピア経由の通信はIn/Outともに別AZととの通信は片方向$0.01/GBかかります。
同一AZの場合はアップデートにより無料となりました。
注意が必要なのが、同じアカウントでVPCピアを結ぶ場合は双方向の料金がかかりますので実質$0.02/GBです。

$0.02$0.02 (0.01 charged to sender VPC owner and 0.01 charged to receiver VPC owner)

Building a Scalable and Secure Multi-VPC AWS Network Infrastructure – AWS Whitepaper(P7を参照)

別リージョンへの通信

別リージョンへの通信はIn$0.00/Out$0.09です。

ELBへの通信

ELBへの通信はn/Outともに無料です!
ELBへ外部からの通信アクセスはLCUという計算方式で算出され課金対象となりますのでご注意ください。

同じ AWS リージョン内での Amazon Classic および Application Elastic Load Balancers からプライベート IP アドレスを用いて、EC2 インスタンスとロードバランサー間で「受信 (イン)」/「送信 (アウト)」されるデータの転送料金は無料です。

CloudFrontへの通信

CloudFrontへの通信はOutは無料ですが、Inの料金はCloudFrontの料金が発生します。
Inについては国によって変わるのですが、日本国内の場合は$0.06/GBかかります。

オリジンへのデータの送信に対する課金。 ユーザーがデータをオリジンに転送すると、CloudFront 料金が発生します。転送データには DELETEOPTIONSPATCHPOSTPUT リクエストが含まれます。料金には、クライアントからサーバーへの WebSocket データのデータ転送が含まれます。この CloudFront 料金は、AWS ステートメントの CloudFront 部分に、region -DataTransfer-Out-OBytes として表示されます。

Transit Gateway通信

DirectConnect経由で複数のAWSアカウント接続などを行うのにTransit Gatewayを使うことが多いですがTransit Gatewayは処理量に応じて課金がされるため、AWSアカウント間の通信も同AZでも課金がされますのでご注意ください。

Transit Gateway経由での接続
接続料金 1時間あたり$0.07
データ処理量 $0.02/GB

 

VMware Cloud on AWSの通信料(コスト)について

DirectConnect通信

VMware Cloud on AWS(以降VMC)はDirectConnectの価格が通常のAWSアカウントで利用する場合と異なります。
また、通信料はAWS社への支払いではなくVMware社への支払いとなります。

VMCからDirectConnect経由でのオンプレミス接続
接続料金 回線事業者、帯域毎に異なります。
アウトバウンド通信(インバウンドは無料) $0.02/GB

インターネット通信

インターネット通信の価格が通常のAWSアカウントで利用する場合と異なります。
また、DXと同様にAWS社への支払いではなくVMware社への支払いとなります。

VMCからインターネット接続
アウトバウンド通信(インバウンドは無料) $0.05/GB

ストレッチクラスター構成でのAZ間通信

複数AZで冗長構成を行うストレッチクラスター構成ではAZ間通信が発生します。
以前はAZ間通信も課金対象でしたが現在は無償となっております。(10PBまで)

Connected VPC通信

VMCはENI経由でAWSのVPCと相互通信が可能です。
25GbpsのENI経由での接続となり、接続はインバウンド、アウトバウンドともに無償となります。
バックアップデータの送信やEC2との連携などはENI経由で行うようにするとコストがかかりません。

VMware Transit Gateway通信

VMCではConnected VPC以外のVPCとの通信やTransit Gateway経由でのオンプレミスとの通信などをVMware Transit Gateway経由で行うことができます。
AWSのTransit Gateway経由の場合、下記料金にプラスしてTransit Gatewayの課金もされますのでご注意ください。

VMCからVMware Transit Gateway経由での接続
接続料金 1時間あたり$0.05
データ処理量 $0.02/GB

 

https://cloudsolutions.vmware.com/content/dam/digitalmarketing/vmware/en/pdf/docs/vmware-cloud-data-charges.pdf

5 COMMENTS

千代田区のマヌルネコ

AWSを勉強し始めたばかりで、大変勉強になります。
1点ご教示ください。
図のアベイラビリティーゾーンCにおいてprivate subnetとpublic subnet間の通信で
In/Out共に通信費が発生しておりますが、同じAZ内でもprivateとpublic間の通信は
費用が発生するのでしょうか。

返信する
ikuraadmin

同じazであれば料金は発生しません。パブリックIPへの通信料は発生しますので図はパブリックIPとの通信を表しております。

返信する
千代田区のマヌルネコ

なるほどパブリックIPへの通信だと外に出てしまうので。ってことですね。
了解しました。ありがとうございます。

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